目指したのは、パッシブとアクティブのいいとこどり

パッシブとアクティブのいいとこどりイメージ

パッシブデザインとは何か

まず、「passive」と「active」の意味について考えてみましょう。

passive(パッシブ)」とは、受動的、受身という意味をもちます。
これに対して「active(アクティブ)」とは、能動的、積極的という意味を持つ英単語です。

「passive」 と 「active」 を住宅に限った意味で私なりに訳すと、

  • 「passive」・・・自然を受け入れる
  • 「active」・・・制御して意のままに操る

と訳すことができます。

そして、「design(デザイン)」とは、「技術と知識を駆使して快適にすること」だと私は考えます。

つまり、「Passive Design」とは、「自然を受け入れ、技術と知識を駆使して快適にすること」であると言えます。
私が設計で目指すところは、「パッシブとアクティブのいいとこどり」なのです。

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風と日射をデザインする

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の役割

窓には風を通したり、光を取り入れたり、外の景観を楽しんだりと様々な役割があります。
窓の性能や配置を間違えて設計すると、コールドドラフトが生じたり、風が通らない、
日当たりが悪いなどの結果に陥ってしまうので、窓の設計は本当に大事です。

「風通しがよく、日当たりがよい」

これは家を建てる方が一番多く言われる要望です。
きっと今までもこれからも、この要望は変わらないと思います。
この要望に応えるため、竪穴式住居ができた遥か昔から様々な知恵や工夫が凝らされてきました。
そして、その工夫は現代では、技術となってさらにさらに高められています。
昔から培われてきた知恵と現在の技術を組み合わせて、
建築地に最も適した建物を設計することが、これからの建築のスタンダードになると思います。
これがパッシブデザインの基本です。

窓の役割イメージ
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をあやつる

風の通り道を設計する

南と北に窓をつけることで、風が通り抜ける道が出来ます。

卓越風をとらえる

建築地の季節や時間帯によって、風の吹く向きには特徴があります。
その場所で、夏の夜にどこから吹く風が多いのかを知っていて、適切に窓を設計することができたら、夏の寝苦しさを改善できるかもしれませんよね。

ウインドキャッチ

ウインドキャッチという設計手法を使って、風の通る向きを意図的に変えることもできます。

縦すべり窓
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日射を取り込む

季節や時間による太陽の高さや方位の違いによる日射量を考え、
南側に大きな窓をとって、日射を確保します。
太陽の日射エネルギーを上手に利用することで、冬場の暖房エネルギーが削減出来ます。

南面に大きくとった窓

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断熱・気密をデザインする

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断熱

大事なのは、使用する断熱材の種類ではなく、
特徴を理解してどのように使うかということ

現在住宅で使われている断熱材は、グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー、木質ボードなどなど数えあげればきりがない程、たくさんの種類があります。

そして、どの断熱材にも一長一短があり、適切な施工がされなければ、本来の性能を発揮するどころか、施工不良からシックハウスなど原因となる場合も少なくありません。

大事な点は、

  • 各断熱材の特徴をとらえて、温熱計算のできる建築士が設計しているか
  • 高気密・高断熱住宅における断熱材の施工を熟知したものによる施工管理体制があるか

ということです。

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気密

断熱・気密・計画換気は3本の矢

「気密性の高い家は、息苦しくて、空気が悪そう。」とおっしゃる方がいますが、実は、まったく逆なのです。
気密性の悪い家(隙間の多い家)では、暖房で暖めた空気が外に逃げてしまいます。
それだけでなく、外の冷たい空気が入り込んできてしまいます。

例えば、セーターはフワフワしていて暖かいですね。
しかし、セーターは編目が粗いので風を通します。
風が吹けばセーターだけでは少しも暖かくないですよね。
そこでセーターの上にウインドブレーカーを着ると、暖かくなります。
これは、ウインドブレーカーによって気密性が高まったためです。

ですから、どんなに断熱を強化しても、気密が悪いと意味がなくなってしまいます。
断熱と気密は一体であって、切っても切り離せないのです。

気密性は換気にも関係している

気密性が悪いと、隙間風が入ってきます。
隙間風は、どこからともなく、ありとあらゆる隙間から出入りするものですから、
隙間風をコントロールすることはできません。
ですから、気密性の悪い家(隙間の多い家)では冬に空気の出し入れが多くなりすぎて、
熱を無駄に逃がすことになってしまいます。

適切に換気をコントロールするためには、
隙間の少ない気密性の高い家にする必要があるのです。

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設備をデザインする

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省エネ性能の高い設備を賢くつかう

快適な生活をおくる為には、利便性の高い設備を導入することも必要です。
省エネ性能の高い設備を使用すれば、快適で省エネな生活がおくれます。
建物の性能を良くするこで、設備にかかる負荷はグッと抑えられます。
我慢の省エネではない、快適な省エネライフが実現できます。

太陽光発電

太陽の光を電気に変える創エネ設備。建物躯体の断熱性能を高めることにより、冷暖房にかかるエネルギーを削減することができます。住宅において消費されるエネルギーは、冷暖房が約25%と大きく占めているので、冷暖房エネルギーを削減することで、使用したエネルギーと創ったエネルギーの収支がゼロのゼロエネルギーハウスを実現します。

HEMS‐ヘムス

電気の見える化で節電意識に火がついた
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略です。
家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。
家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりします。
HEMS(ヘムス)と聞くと家庭内の消費電力を室内のディスプレイで表示する装置を想像しがちですが、HEMS(ヘムス)はエネルギー管理システム全体を意味するものです。
HEMS(ヘムス)により電力の使用を効率化でき、節電やCO2削減に役立ちます。HEMS(ヘムス)とはエコロジーと居住快適性を実現するための技術です。
HEMS(ヘムス)を構築する際にソーラーパネルを使用して太陽光発電や燃料電池で電気を起こし、その電気をリチウムイオンバッテリーのような蓄電池に蓄えて使用する場合、発電量と蓄電量をリアルタイムで把握する必要があります。更にHEMS(ヘムス)は家電機器が現在どれくらい電気を消費しているかを知る必要もあります。個々の家電機器の電力消費量を把握し制御することによってより細かな電力管理が可能になります。電気自動車のバッテリーの残量の把握や充電のタイミングを制御する必要もあります。 HEMS(ヘムス)では電気自動車のバッテリーを電源として利用するというアイデアもあります。

Home Energy Management System
(ホーム エネルギー マネジメント システム)
EVコンセント

電気自動車用の充電コンセント。
後からつけるより新築時に付けておいた方が断然お得です。

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暮らしをデザインする

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夢をかなえる心地のよい空間

薪ストーブのあるリビングをつくり、家族や友人を招いて、薪ストーブで焼いたピザや、温めたシチューを振舞い、楽しい時間を過ごす。
時には、ボーっと薪ストーブの揺れる炎を見つめ物思いにふける。
私が思い描いた家には、こんなイメージがありました。
思い描いた空間に、いられるということは本当に幸せで、心地のいいことだと思います。